銀座の老舗から気鋭の名店まで、寿司のプロフェッショナルたちがササニシキを寿司米の最高峰と位置づけるのには、明確な科学的・技術的根拠がある。
最大の強みは、米粒表面の粘り気が少なく、酢合わせをした際に酢が粒全体へ均一にコーティングされる点にある。もっちりした米では合わせ酢の水分を過剰に吸ってしまい、シャリが重く団子状になりやすい。対してササニシキは、一粒一粒が自立したまま美しく酢をまとい、米肌が透き通るように仕上がる。
さらに握りの段階において、米粒同士の間に微細な空気の層が生まれる。舌の上に乗せた瞬間、シャリがほろりと自然にほどけ、ネタの脂や旨味と同時に溶け合う。この絶妙な口内調和は、他の品種では到底再現できない領域だ。米の性質を知り尽くした精米業の職人たちも、割れや摩擦熱を防ぐ高度な調整を施し、職人のこだわりを支えている。