有馬記念の歴史を紐解くとき、栄冠を手にした勝ち馬たちには明確な共通項が浮かび上がる。第1の傾向は「前走G1レースにおける圧倒的な実績」だ。過去20年の勝ち馬の8割以上は、前走でジャパンカップや天皇賞(秋)、あるいは菊花賞といった最高峰の舞台を戦い抜いてきた。特にジャパンカップからの参戦組は、過密日程のなかでも高いパフォーマンスを維持し、軸馬としての信頼度を誇る。
第2の傾向は「中山芝コースでの勝率と重賞実績」である。中山競馬場は、小回りでありながら直線に急坂が立ちはだかる極めてトリッキーな構造を持つ。この特殊なレイアウトに対応できる機動力とパワーを兼ね備えた血統――特にステイゴールド系やハーツクライ系、あるいはキングカメハメハの系譜に連なる競走馬が好成績を収めている点は見逃せない。
そして第3の傾向が「4歳・5歳馬を中心とした好調な年齢バランス」だ。3歳馬が恵まれた斤量で好走するケースもあるが、タフな2500mを走り切るスタミナと豊富な経験を併せ持つ4〜5歳馬が勝利数の大半を占めている。この3つの条件を満たす存在こそが、勝利への最短距離に位置しているのだ。