受診者が最も恐れる「尿検査でオナニーをしたことがバレるのか」という疑問ですが、結論から言えば「オナニーをした」という行為自体が受診票や会社への通知に記載されることはありません。
ただし、検査を担当する臨床検査技師の顕微鏡(尿沈渣検査)には、尿の中に残存した精子が明確に映し出されます。技師にとっては日常的な所見であるため一喜一憂されることはないものの、問題は行為の発覚ではなく検査数値の異常判定にあります。
射精後の尿道内には、しばらくの間精液成分が残留します。精液には高濃度のタンパク質(アルブミンやグロブリンなど)が含まれており、これが検尿カップに混ざると、腎臓に障害がないにもかかわらず「尿蛋白(+)」の偽陽性が検出されてしまいます。さらに、射精時の急激な筋肉収縮や尿道の摩擦によって微細な出血が生じていると、「尿潜血(+)」反応まで重なって判定されるケースも珍しくありません。
健診判定のアルゴリズム上、尿蛋白や尿潜血で陽性が出ると、慢性腎臓病(CKD)や糸球体腎炎、尿路結石などが疑われ、「要精密検査」の判定が下りてしまいます。