グレングラントの真髄を理解する上で外せないのが、蒸留所が位置するスペイサイド・ローゼス(Rothes)の風土と、創業家が築き上げた革新的な製法です。1840年、ジョンとジェームズのグラント兄弟によって設立されたこの蒸留所は、清らかなスペイ川周辺の上質な湧水と豊かな大麦に恵まれた地に誕生しました。
ブランドの礎を築いたのは、2代目にあたるジェームズ・“ザ・メジャー”・グラントです。彼はウイスキー造りに革命をもたらすべく、極めて背の高い細身のポットスチル(単式蒸留器)を設計し、さらに蒸気から重い成分を取り除く独自の精留器(ピュリファイアー)を導入しました。この機構により、雑味の原因となる重いフーゼル油が釜へと戻され、最も純度の高い華やかなスピリッツだけが抽出されます。
この徹底したこだわりによって生み出される原酒は、スペイサイドモルト特有のエレガントなフルーティーさと透き通るようなクリアさを両立しています。かつてスコッチが「重くスモーキー」とされていた時代に、いち早くライト&スムーズな味わいを確立したグレングラントは、イタリアをはじめとする欧州市場を席巻し、現在も世界トップクラスの販売量を誇る銘柄として君臨しています。