多くの美食家が疑問に抱く「なぜこれほどまでに予約が取れないのか」という問いに対し、その構造的な理由は極めて明快です。それは単なる人気過熱によるブームではなく、物理的な席数の絶対的少なさと顧客の圧倒的なリピート率に起因しています。
一般的なイタリアン予約困難店であっても、1日に十数名から数十名を回転させることが通例です。しかし、フォリオリーナでは小林シェフが理想とする「客人の呼吸や食事のペースに完璧に同調させた火入れと調味」を実現するため、1日1組限定レストランという極限の制限を課しています。
年間で受け入れられる組数は最大でも数百組未満。その限られたシートの大部分は、前回の訪問時に次回の予約を完了させる長年の常連客によって埋め尽くされます。ネット予約システムでの一般開放や電話での一斉受付を行わないため、新規の訪問希望者にとっては「既存の予約枠を持つ常連に同伴させてもらう」以外に実質的な突破口が存在しないのが実態です。