平穏な日常が一変したのは2020年5月上旬から6月にかけてのことでした。長年ガンダムの右手に握られていた手作りの「ビームライフル」(木製および鉄パイプ製)が、何者かによって根元から切断・持ち去られる武器盗難事件が発生したのです。地元管理者が警察へ被害届を提出し、報道各社が「丸腰になったへたれガンダム」と報じると、SNS上では怒りと悲しみの声が瞬く間に拡散しました。
しかし、事態は誰も予想しなかった心温まる展開を迎えます。報道直後から、福島県内のみならず日本全国のモデラーやファン、職人たちから「丸腰では可哀想だ」「我が家の装備を使ってほしい」と、手作りの武器が現地へ続々と奉納・寄贈され始めたのです。
一時は武器が10種類以上も足元に積み重なり、「へたれなのに重装備すぎる」「拠点防衛用モビルスーツに進化した」とネット掲示板やSNSで大きな話題を呼びました。悪質な窃盗行為というネガティブな事件を、ファンのユーモアと善意が見事にポジティブな物語へと反転させた好例といえます。