二人の出会いは1980年代半ば、モデルとして活動していた一般女性との巡り合いに端を発する。当時、新進気鋭の若手実力派として映画界の熱い視線を浴びていた彼は、私生活において精神的な安らぎを渇望していた。1986年にゴールインし、翌年には長男が誕生。順風満帆に見えた家庭生活だったが、その歯車は急速に狂い始める。
破局の引き金となったのは、文字通り映画に命を削る佐藤のストイックすぎる生活様式だった。役に入り込めば私生活のすべてを遮断する。家を空ける日々が続き、たまの帰宅時も役柄の狂気や苦悩を纏ったまま。幼子を抱え、普通の家庭の温もりを求めた妻との間に修復不可能な溝が生じるのは時間の問題だった。1989年には別居が報じられ、ほどなくして離婚が成立。親権は前妻へと渡り、彼は一切の弁明をすることなく、その傷口を抱えたままロケ地へと向かった。