結論から明確に言えば、「谷原アナウンサー」という肩書きの人物はテレビ局に在籍したことがありません。谷原章介氏のキャリアの原点は、1992年にファッション雑誌『MEN'S NON-NO』の専属モデルとしてスタートした芸能活動にあります。1995年に映画『花より男子』の道明寺司役で鮮烈な俳優デビューを飾って以降、トレンディドラマやNHK大河ドラマ、映画、舞台と第一線で活躍を重ねてきたれっきとした実力派俳優です。
それにもかかわらず、視聴者の脳裏に「アナウンサー」として刷り込まれている最大の要因は、四半世紀近くに及ぶ谷原章介 キャスター 経歴の重厚さにあります。特に2007年から2017年までの丸10年間にわたってMCを務めたTBS系情報バラエティ『王様のブランチ』では、毎週土曜日に4時間半もの長尺生放送を抜群の安定感で差配しました。ゲストへの細やかな気配りや滑舌の明瞭さ、原稿読みの精確さは、並の局アナを凌駕するレベルに達していたと言っても過言ではありません。
さらに、伝説的な長寿クイズ番組『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系)で故・児玉清氏の急逝に伴いバトンを引き継いだことや、NHKの生放送音楽番組『うたコン』での長年の総合司会など、NHK・民放を問わず「失敗が許されない生放送の看板番組」を次々と任されてきました。こうした実績が積み重なった結果、視聴者の深層心理に「スーツを着て生放送を完璧に仕切る谷原章介=一流アナウンサー」という認知のねじれが生じたのです。