改札機のタッチ判定で弾かれてしまうトラブルは、決してICカード自体の不具合や改札機の故障ばかりではありません。最大の原因は、キーケース内部に同居している金属製の鍵やスマートキー、そして複数の磁気・ICチップが引き起こす電波干渉と磁界の歪みにあります。
SuicaやPASMOといった交通系ICカードは、非接触RFID技術(13.56MHzの周波数帯)を採用しています。カード内部に張り巡らされたループアンテナが、改札機側のリーダーライターから照射される微弱な磁界をキャッチし、電磁誘導によって起電して通信を行う仕組みです。ところが、カードのすぐ裏や周囲に金属製の鍵が存在すると、金属が磁界を吸収・乱反射してしまい、アンテナに十分な電流が流れません。これが「改札タッチ反応しない理由」の典型例です。
さらに近年増えているのが、車のスマートキーや会社のセキュリティカード、マンションの鍵との干渉です。スマートキーの内部にも電子基板や金属パーツが凝縮されており、微弱な電波を常時送受信しています。また、2枚以上の非接触ICカードを同一ケース内に近接して入れている場合、改札機からの電波に両方のカードが同時に応答してしまい、リーダー側が識別不能となってエラーを返します。「ただポケットに入れているだけ」に見えても、ケース内部では激しい電波の混線が生じているのが真相です。