良かれと思って始めたトレーニングが、逆効果を招いてしまうケースも存在します。漏斗胸特有の骨格バランスを理解せずにやみくもに鍛えると、かえって窪みが際立ってしまう現象が起きるためです。
典型的な失敗例が、大胸筋の内側や下部ばかりを過剰に意識したトレーニングです。中央の窪んだ骨格に対して、その周囲の筋肉だけが盛り上がると、凹み部分に濃い影が落ちてクレーターのような段差が強調されてしまいます。これが「筋トレで漏斗胸が悪化した」と感じる主な原因です。
さらに、漏斗胸の多くは巻き肩や猫背、肋骨の下部が前方に突き出る「リブフレア(肋骨の開き)」を併発しています。胸の筋肉ばかりを鍛えて背筋や体幹の強化を怠ると、前後の張力バランスが崩れて胸郭がさらに内側へ引き込まれ、姿勢の崩れとともに凹みが深く見えてしまう骨格的なリスクがあります。