SNSやネット掲示板上では、ある日突然口座から預金が引き落とされた滞納者の生々しい投稿が散見されます。
「給料日に銀行アプリを開いたら、残高が0円になっていて『サシオサエ』の文字が並んでいた」
「年金の赤い封書を放置していたら、会社に連絡がいって給与の天引き手続きを取られた」
これらは決して大げさな脅しではなく、現行法に基づいて日常的に行われている滞納処分の現実です。督促状を無視し続けた場合、日本年金機構や自治体の徴収担当者は「財産調査」に着手します。この調査権限は国税徴収法に基づき極めて強力に設定されており、本人の同意なしに主要メガバンクから地方銀行、信用金庫、さらには勤務先へ直接照会がかけられます。
財産調査の対象は銀行口座内の預貯金にとどまりません。毎月の給与(手取り額の一定割合)、解約返戻金のある生命保険、保有している自動車や不動産、個人事業主であれば取引先に対する売掛金債権まで網羅されます。口座差し押さえが実行される瞬間、銀行側は滞納処分票に基づいて対象額を即座に国や自治体へ引き渡すため、口座名義人に事前に「明日差し押さえます」という連絡が届くことはありません。