読者の心を最も揺さぶったのが、原作コミックス第8巻から第9巻にかけて描かれた2人のお試し交際と破局の展開です。みつみからの真っ直ぐな告白を受け、志摩は「みつみちゃんのことを特別に思っている」という自覚から交際をスタートさせました。
しかし、当時の志摩は「恋愛感情の“好き”」という概念そのものが抜け落ちており、みつみが向けてくれる熱量に対して誠実に応えられない自分に強い罪悪感を抱きます。志摩の苦悩を敏感に察知したみつみは、自ら「一度、友達に戻ろう」と提案。この決断は読者に大きな衝撃を与えましたが、互いを真剣に尊重し合っているからこその、痛切で美しい選択でした。
その後、2年生への進級や修学旅行といった濃密な時間を過ごす中で、志摩の心境に明確な変化が訪れます。みつみが他の男子(生徒会長の迎井など)と親しげに話す姿に小さな嫉妬を覚えたり、彼女の笑顔を独占したいと強く願ったりと、「本物の恋心」に自分自身で気づいていく過程が描かれています。遠回りをしたからこそ、現在の2人はかつてないほど強固な信頼関係を築き直しています。