長年親しまれてきた「電源ボタンを長押しすれば消える」という直感的なUIは、2017年のiPhone X登場を機に設計思想が根本から転換されました。ハードウェアの右側に位置するボタンは、公式には「電源ボタン」ではなく「サイドボタン」と呼称されています。Appleは音声アシスタントSiriへの即時アクセスと、Apple Payのダブルクリック起動を最優先する設計を採用したため、長押し操作にはSiriの呼び出し機能が標準で割り振られることとなりました。
この変更を知らないままサイドボタンを単独で押し続けると、画面下部にSiriの波形アニメーションが立ち上がり、電源オフスライダーは一切表示されません。さらに押し続けると、設定によっては「緊急SOS」のカウントダウン警告音が鳴り響き、110番や119番への自動発信画面へ遷移してしまう心理的リスクを孕んでいます。意図したシャットダウンを実行するには、複数のハードウェアキーを組み合わせた正しい入力シーケンスを把握することが不可欠です。