ネット上のダイエット情報には、「2000kcalを1500kcalに削れば誰でも痩せる」「カロリー収支さえ合っていれば何を食べても太らない」といった短絡的な言説が溢れている。しかし、これらには生体防御反応を無視した深刻な盲点が存在する。
長期間にわたり無計画な低カロリー食を続けると、脳の視床下部は飢餓状態と感知し、甲状腺ホルモンの分泌を抑制して基礎代謝そのものを急激に低下させる。この「適応性熱産生」が発動すると、本来なら消費されるはずのカロリーが燃えなくなり、以前は太らなかった1600〜1800kcalの摂取でも容易にリバウンドする脆弱な身体が完成してしまう。
また、ボディメイクに励むトレーニー界隈でも誤解が根深い。筋トレ 増量期 食事として「とりあえず2000kcalを死守する」と語るビギナーが見受けられるが、除脂肪体重55kg以上の男性にとって2000kcalは明らかな減量メニューだ。筋肉を同化(アナボリック)させるための余剰エネルギーが存在しないため、どれほど重いバーベルを挙げても筋繊維は発達せず、むしろ筋肉を分解してエネルギーを補おうとする。目的がダイエットなのか筋肥大なのかによって、運動量と必要カロリーの関係性を再定義しなければならない。