冬越しにおける最大のハードルは「温度管理」と「水加減」のバランスです。耐寒限界は最低気温5℃とされていますが、安全に冬を越すための理想温度は7℃〜10℃です。0℃以下にさらされると、肉厚な茎節内の水分が凍結・細胞破壊を起こし、組織がブヨブヨに腐敗して枯死に至ります。
冬の管理中に愛好家を不安にさせるのが「茎節が薄くしわしわになる現象」です。これには大きく分けて2つの原因が存在し、対処法を誤ると株を全滅させる危険があります。
第一に、「休眠期の水分排出による生理現象」です。寒さに耐えるため、自ら体内の水分量を減らして樹液濃度を高める自己防衛反応であり、これは完全に正常な状態です。茎にしわが寄っていても、茎の根元が硬く締まっていれば問題ありません。春(3月下旬〜4月)になり、気温の上昇とともに徐々に水やりを再開すれば、2〜3週間でふっくらとしたみずみずしい緑色へと復活します。
第二に、「冬の過湿による根腐れ」です。休眠期に良かれと思って水を頻繁に与えると、水を吸えない根が腐敗し、地上部に水分を送れなくなってしわしわになります。根元を触ってグラグラしていたり、株元が黒ずんで悪臭がする場合は根腐れです。この場合の復活方法は、腐敗した根と茎を清潔なハサミで健全な組織まで大胆に切り戻し、切り口を1週間ほど日陰で完全乾燥させてから新しい清潔な用土に挿し直す「緊急挿し木更新」を行うしかありません。