「婚外(こんがい)」とは、文字通り「婚姻関係の外側」に築かれる親密なパートナーシップ全般を指す通称です。文脈により「婚外恋愛」や「婚外関係」と表現されます。世間一般で使われる「不倫」や「浮気」が生々しい肉体関係や道徳的タブーを連想させるのに対し、「婚外」という言葉は、精神的な結びつきや純粋な恋愛感情を強調する意図で当事者たちに好んで用いられる傾向があります。
近年、この領域で急速に定着したのが「セカンドパートナーの定義」です。配偶者(ファーストパートナー)を家庭や生活の基盤として維持しながら、精神的な支えや異性としての刺激を補完する「第二のパートナー」を指します。当事者の多くは「家庭を壊すつもりはない」「純粋に心の隙間を埋め合っているだけ」と主張し、罪悪感を薄める防壁としてこの言葉を活用しています。
しかし、当事者の主観的な呼び分けと、法的な評価の間には決定的な乖離が存在します。日本の法律において「不倫」「浮気」「婚外恋愛」を明確に区別する条文はありません。問われる基準は極めて客観的であり、「自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結んだか(不貞行為)」という一点に集約されます。どれほど本人が「崇高な恋愛関係」と位置づけていても、肉体関係が存在すれば法的には紛れもない不貞行為であり、不法行為(民法第709条)として損害賠償義務を負います。
一方で、肉体関係を一切持たない「既婚者同士のプラトニック関係」を婚外と呼ぶケースも増えています。食事やメッセージのやり取りにとどめ、肉体的な接触を回避することで「法的にはシロ」と主張する防衛策です。しかし、後述するように、親密さの度合いや密会頻度によっては、婚姻関係を破綻させた共同不法行為とみなされる判例も積み上がっており、言葉の響きほど安全な聖域は存在しません。