すべての原点は、天才演出家・富野由悠季が生み出した1979年の金字塔『機動戦士ガンダム』にある。それまでの「勧善懲悪」という単純な構造を打ち破り、戦場に生きる若者たちの苦悩や葛藤、そして国家間のエゴをリアルに描いたストーリーテリングは、当時のアニメ界に地殻変動をもたらした。
単なる子供向けのロボットアニメという既成概念を粉砕し、高度なSFアニメとしての地位を確立させた富野の洞察力は、半世紀近くが経過した現在でも色褪せることがない。人間の欲望や戦争の本質を突いたテーマ性は、不確実な現代社会を生きる若い世代の心にも深く刺さり続けている。