毎日の生活リズムを維持する上で、飼い主の体力を最も奪うのが「ブラッシング」と「運動」の2点です。「短毛のラブラドールの方が手入れが楽」という思い込みは、迎えた後の最大の誤算になりやすいポイントです。
抜け毛とお手入れの頻度の違いを比較すると、苦労の方向性が異なります。長毛のゴールデンは抜け毛の体積が非常に大きく、綿埃のような毛が部屋の隅に溜まります。週3〜4回(換毛期は毎日)のスリッカーブラシとコームによる丁寧なコーミングを怠ると、毛玉や皮膚炎の原因になります。一方、短毛のラブラドールは抜け落ちた毛が短く硬いため、カーペットや布製ソファ、飼い主の衣服の繊維に針のように突き刺さり、掃除機だけでは吸い取れません。粘着クリーナー(コロコロ)を何本も消費する生活を強いられます。
シャンプー後の乾燥にかかる時間差も歴然です。ゴールデンは大型犬専用ドライヤーを使用しても完全乾燥まで約1時間半から2時間を要しますが、ラブラドールであれば吸水タオルの拭き上げとドライヤーの組み合わせにより30〜40分程度で乾きます。トリミングサロンに依頼する場合、ゴールデンは1回あたり15,000円〜25,000円の費用がかかるため、年間を通じた維持管理費にダイレクトに跳ね返ってきます。
必要な運動量と毎日の散歩時間については、両犬種ともに妥協が許されません。目安として朝晩それぞれ最低45分〜1時間(1日計2時間、距離にして7〜10km程度)の散歩が基本ノルマです。さらに、単にアスファルトの上を歩くだけでは作業欲求を満たせず、ストレス性の無駄吠えや破壊行動につながります。広いドッグランでのボール投げ(レトリーブ運動)や、雨の日に室内で匂いを追わせるノーズワークなど、「頭を使わせるエネルギー発散」を取り入れる工夫が求められます。