ヴィヴィアン・ウエストウッドのデザインは、反逆精神と英国伝統のテーラリングが同居する唯一無二のものだ。特に『NANA』の主人公・大崎ナナが愛用したジャケットは、タイトなシルエットと大胆なカッティングが特徴である。それは単なる服ではない。傷つきやすい内面を隠し、都会を生き抜くための「鎧」だった。
チェック柄のウールジャケットや、襟元がハート型にくり抜かれた「ラブジャケット」。これらは、ガーリーでありながらもどこか毒のある、ヴィヴィアンならではの世界観を体現している。原作者の矢沢あいが描いた緻密なディテールが、現実のファッションとしても完璧に機能している証拠だ。