足裏刺激が心身に及ぼす影響の研究は、東西で独自の進化を遂げてきた。20世紀初頭、米国の医師ウィリアム・フィッツジェラルドが提唱した「ゾーン・セラピー」は、身体を縦10本のエネルギーゾーンに分割し、圧迫刺激によって鎮痛効果をもたらす近代アプローチの先駆となった。これを引き継ぎ、足裏の詳細な解剖学的マップを完成させたのが理学療法士のユーニス・イングハムである。彼女の理論は現代のリフレクソロジー(反射区療法)の礎となり、痛みを抑えつつ深いリラクゼーションを促す西洋式施術として日本リフレクソロジー協会などを通じて国内にも広く浸透した。
一方で、痛みを伴う力強い刺激で自然治癒力を引き出す東洋的アプローチとして定着したのが、若石健康法(台湾式足つぼプロジェクト)である。中国伝統の東洋医学・経絡経穴学の概念を融合させたこの手法は、気血の流れを整え、滞った毒素の排出を促すことを主眼に置く。痛みの有無を健康のバロメーターと捉える視点は、まさに東西の医学的知見が何重にも重なり合って形成された生体観に基づいている。