「親には全然似ていないのに、目元や鼻の形がおばあちゃんにそっくり」と言われる背景には、顔のパーツを決定づける遺伝的な特徴があります。
代表的な例が「まぶたの形状」です。一般的に二重まぶたは顕性遺伝、一重まぶたは潜性遺伝の傾向が強いとされています。両親がともに二重まぶた(遺伝子型がAa)であっても、それぞれが持つ潜性の一重遺伝子(a)が子どもに受け継がれると、25%の確率で一重まぶた(aa)の子どもが誕生します。もし祖父母が一重まぶただった場合、「親は二重なのに祖父母に似て一重になった」という隔世遺伝が成立します。
ただし、顔立ち全体や輪郭、身長・体型などは、1つの遺伝子だけで決まるわけではありません。数百から数千の遺伝子が複雑に影響し合う「多因子遺伝(たはいんしいでん)」と、成長期の栄養・生活習慣などの環境要因が組み合わさって形作られます。
無数の遺伝子の組み合わせがシャッフルされる過程で、親の代では絶妙に分散していた遺伝的要素が、孫の代で偶然にも祖父母の配置と酷似したパターンとして再構成されることがあります。これが「親よりも祖父母に顔の雰囲気がそっくりになる」決定的な理由です。