納豆を加熱した瞬間に立ち上る、なんとも言えない独特の臭み。普段は冷たい納豆を好んで食べている人であっても、「焼いた納豆の臭いだけは耐えられない」と訴えるケースは珍しくありません。
納豆の独特な香りには、ピラジン類(香ばしさ)やジアセチル(発酵臭)、そして微量のアンモニア成分が含まれています。常温であればバランスよく保たれているこれらの揮発性化合物ですが、オーブントースターなどで熱を加えることで一気に気化し、鼻を突くツンとした刺激臭へと変貌します。これが「生臭さ」や「蒸れたような異臭」の正体です。
さらに見逃せないのが、健康面での影響です。納豆に含まれる代表的な健康サポート酵素ナットウキナーゼは熱に非常に弱い性質を持っています。およそ50度を超えると活性が低下し始め、70度以上でほぼ完全に失活してしまいます。
つまり、高温でグツグツと長時間加熱してしまうと、不快な臭気を部屋中に拡散させた上に、貴重な栄養成分まで損ねてしまうという二重のデメリットを招く結果になります。