天ぷらいもや閉店の真相と現在|神保町の伝説の味を継ぐ名店一覧

天ぷらいもや閉店の真相と現在|神保町の伝説の味を継ぐ名店一覧

天ぷらいもや閉店の真相と現在|神保町の伝説の味を継ぐ名店一覧を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

2018年3月末、神田神保町二丁目にあった「天ぷらいもや 本店」と「天丼いもや」の店頭に貼り出された一枚の簡潔な閉店告知は、街の常連客やグルメファンの間に激震を走らせました。最終営業日には名残を惜しむファンが数百メートルに及ぶ長蛇の列を作り、数時間待ちの末に最後の一杯を噛み締める姿が大手メディアでも大きく報じられました。

あれほどの圧倒的人気を誇り、連日満席だった名店がなぜ暖簾を下ろす決断を下したのか。報道各社の取材データや関係者の証言を総合すると、決定打となったのは「職人の高齢化」と「店舗設備の老朽化」という、日本の個人飲食店が直面する構造的な課題でした。

当時、厨房で揚げ場を一身に担っていた店主は70代後半に達していました。天ぷらという業態は、高温の油鍋の前に立ち続け、粉を溶き、絶妙なタイミングでタネを揚げ分ける極めて過酷な肉体労働です。それに加え、毎朝暗いうちから大量の魚を捌き、天つゆを仕込む日々の重労働をこれ以上維持することは限界を迎えていました。

また、戦後の面影を残す木造店舗の老朽化も進んでおり、大規模改修や建て替えを伴う事業継続は困難と判断されました。「利益が出ないから辞める」のではなく、「最高のクオリティと圧倒的な安さを維持できる限界までやり切った」というのが、現場を取材したジャーナリストたちが一致して辿り着いた結論です。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。