オリンピックで金メダルを獲得した際、日本代表選手に支払われる公的なベースラインとなるのがJOC報奨金金額です。日本オリンピック委員会交付基準により、本大会で優秀な成績を収めた選手に対して明確な支給基準が定められています。
現在運用されている基準額は、金メダルが500万円、銀メダルが200万円、銅メダルが100万円です。この基準は1992年アルベールビル冬季大会から導入され、当初は金メダル300万円でしたが、2016年リオデジャネイロ大会を契機に500万円へと増額改定されました。入賞(4位〜8位)に対してはJOC本体からの賞金支給はなく、メダル獲得者のみに支払われる栄誉給となっています。
ここで多くの国民や納税者が疑問に感じるのが税金の扱いです。臨時収入として数百万円もの金銭を受け取るとなれば、通常は最高税率に近い所得税や住民税が課されるのではないかと懸念されます。しかし、ここには極めて強力な法的手続きが介在しています。
それが所得税法非課税特例(所得税法第9条第1項第14号)です。過去、1992年バルセロナ五輪で競泳の岩崎恭子選手が当時14歳で金メダルを獲得した際、報奨金に対する課税問題が国会を含め大きな議論を呼びました。これを契機に税制改正が行われ、文部科学大臣が財務大臣と協議して指定する団体(JOCおよびJOC加盟の各競技団体)から交付される報奨金については、全額非課税として扱われる仕組みが法制化されました。つまり、JOCから振り込まれる500万円は、1円も税金を引かれることなく手元に残る設計です。