暗黒大陸編において「読みにくい」と感じる読者が増えたもう一つの大きな要因は、念能力のシステムが初期のシンプルな肉体強化・放出系バトルから高度なルール型・因果律型へと進化したことです。
近年の念能力は、発動条件、制約と誓約、カウンター型、寄生型、相互協力型(ジョイント)、さらには死後強まる念など、複雑なゲームの規約書のような構造を持っています。クラピカが扱う「奪う人指し指の極(ステルスドルフィン)」の仕様解説や、第4王子ツェリードニヒの絶に伴う予知能力の検証など、能力のメカニズムそのものを解明する過程がそのままサスペンスの核となっています。
文字情報が多い分、流し読みは一切通用しません。しかし、提示されたルールを読者自身が能動的に読み解き、キャラクターと共に真相へ迫る体験は、他のエンタメでは味わえない強烈なカタルシスを生み出しています。