市街地出没の激増に対し、駆除や警戒を担う現場は限界寸前に追い込まれています。北海道内の現役猟友会ハンターへの取材では、行政対応と法的制約の狭間で苦悩する生々しい実情が語られました。
「住民からの通報を受けて駆けつけても、住宅が立ち並ぶ場所では銃火器を使えない。万が一跳弾が民家に当たれば刑事責任を問われるリスクがある。現場に立つハンターの命と生活を守る法整備が追いついていない」
鳥獣保護管理法および警察官職務執行法に基づく銃器使用のハードルは極めて高く、市街地に侵入したヒグマを前にしながら、安全確保の判断に数時間を要する事例が各地で頻発しています。環境省や自治体は「指定管理鳥獣」へのクマ類追加に伴う捕獲補助や、緊急銃猟を可能にする制度改革を進めているものの、捕獲の担い手であるハンターの平均年齢は60代後半を超えており、後継者育成の遅れは構造的な安全保障の危機と言えます。
民間主導のクマ出没データベース「クママップ」に登録された全国15万件超の出没レコードを分析すると、全国のクマ被害ニュース最新データにおいて、死傷者数が過去最多水準を更新し続けていることが分かります。もはや北海道のヒグマ問題は一地方の自然現象ではなく、国家的な都市防災の課題として捉え直す局面に突入しています。