定年まで勤め上げた場合の生涯年収は、概算で2億4000万〜2億7000万円程度と推計される。大手企業の平均生涯年収と同等かそれ以上の水準であり、退職手当(退職金)を含めれば生涯を通じた経済的安定性は非常に高い。民間企業の業績変動に左右されにくい安定感は、他業界と比較した際の大いなる強みと言える。
しかし、教育業界全体を見渡したとき、この生涯年収の高さだけで人材を引き止め続けることには限界が見えている。過酷な勤務条件や精神的負担の大きさが嫌気され、志願者の減少や若手教員の早期離職が深刻な社会問題化しているからだ。どれほど生涯賃金が保証されていても、日々の業務量に見合った評価と心身の健康が保たれなければ、職業としての魅力は持続しない。給与制度の改定と同時に、タスクの削減や業務のデジタル化といった抜本的な構造改革が急務となっている。