私たちが日常的に操る日本語(共通語)の音素は、一体いくつ存在するのでしょうか。諸説あるものの、一般的な音韻論では20数個(約22〜24個)と分類されます。英語の音素数が約40〜44個(母音約20個+子音約24個)あることと比較すると、日本語の音体系は非常にコンパクトに整理されています。
日本語の母音音素(5個)
日本語の基本母音は以下の5音素で構成されます。
- /a/(ア)、/i/(イ)、/u/(ウ)、/e/(エ)、/o/(オ)
日本語の主な子音音素(14〜16個前後)
共通語の子音音素一覧は以下の通りです。
- /k/(カ行)、/s/(サ行)、/t/(タ行)、/n/(ナ行)、/h/(ハ行)、/m/(マ行)、/y/(ヤ行半母音 /j/)、/r/(ラ行)、/w/(ワ行半母音)
- /g/(ガ行濁音)、/z/(ザ行濁音)、/d/(ダ行濁音)、/b/(バ行濁音)、/p/(パ行半濁音)
- 外来語の定着に伴い設定される場合がある音素:/f/(ファなど)、/v/(ヴァなど)、/ts/(ツァなど)
日本語特有の「特殊音素」(3個)
日本語の音韻構造を語る上で欠かせないのが、1拍(1モーラ)分の長さを持って意味を区別する特殊音素(特殊拍)の存在です。
- 撥音 /N/(ん):前後の音に応じて [m], [n], [ŋ], [ɴ] などに変化。
- 促音 /Q/(っ):詰まる音。「かっと(cut)」などで、後続の子音を閉鎖したまま1拍分保持する。
- 長音 /R/ または /H/(ー):「カード」「ビール」など、直前の母音を1拍分長く引き伸ばす音素。
これらの特殊音素が独立して機能しているからこそ、「きょねん(去年:3拍)」と「きょうねん(凶年:4拍)」、「かき(柿:2拍)」と「かっき(活気:3拍)」のような厳密な意味の区別が成り立っています。