そもそも、なぜ脱衣後や洗濯後にこれほど高い確率で紐が潜り込んでしまうのか。衣服の構造と洗濯機内の流体力学に詳しい専門家は、その理由をこう分析する。
「洗濯機が回転する際、水流と衣類同士の摩擦によって紐には常に不均一な引っ張り力がかかります。特に片方の紐が他の洗濯物に絡みつくと、強いテンションが生まれます。その結果、反対側のフリーになっている紐が、ゴムの収縮力と水流の勢いによって引きずり込まれる現象が起きるのです」
つまり、紐が抜けるのは不可抗力ではなく、洗濯時の運動エネルギーがもたらす極めて物理的な結果なのだ。この仕組みを理解しておけば、洗濯前のわずかなひと工夫がいかに重要かがわかるだろう。