この名物麺のルーツを辿ると、15世紀以降にマレー半島へ渡った中国系移民と現地の女性たちが育んだプラナカン料理に行き着く。東西交易の要所として栄えたシンガポールやマレーシアの港町で、中華料理の調理技術や麺文化と、東南アジア固有のハーブやスパイスが見事に融合した。
特にシンガポールを代表する伝統食としてのラクサは、エビの旨味が凝縮された出汁と香辛料ペースト、そしてクリーミーなスープが特徴的だ。地域によって魚ベースのすっぱいスープやクリアなスープなど多様なバリエーションが存在するが、日本人の舌を最も強く惹きつけているのは、このまろやかで奥深い濃厚コク旨スープである。