この店の神髄は、一串ごとにドラマが宿る洗練されたおまかせコースにある。店主・職人は毎朝仕入れる銘柄鶏や地鶏の状態を見極め、部位ごとの水分量や脂の乗りを指先で感知。炭火との対話を片時も絶やさない。
コースは澄み切った一番だしから始まり、皮目のパリッとした香ばしさと中のジューシーさのコントラストが際立つ「かしわ」、絶妙な火入れでレバー特有の臭みを一切感じさせない「肝」へと続く。伝統的な技法をベースにしながらも、現代的な洗練を加えたプレゼンテーションは、高級和食の新たな可能性をまざまざと見せつけてくれる。まさに炭火がもたらす魔法の連続だ。