焼肉店のメニュー表を開くと、ハラミはロースやカルビと並んで「正肉(精肉)」のエリアに堂々と鎮座しているケースがほとんどです。しかし、日本の食肉流通規格において、ハラミは紛れもなく内臓(ホルモン)として分類されています。
ハラミの正体は、牛の胸と腹を隔てる薄いドーム状の筋肉である横隔膜の背中側の部位です。ちなみに、横隔膜の肋骨側の厚い部分は「サガリ」と呼ばれ、こちらも広義のハラミとして提供されるケースが多々あります。運動量が多い筋肉組織であるため、赤身肉と全く遜色のない繊維質な食感とうま味を持っていますが、内臓を支える呼吸器官の一部であることから、牛を解体する「と畜場法」および厚生労働省・農林水産省の区分において副生物(内臓肉)として扱われます。
一方で、カルビは韓国語で「あばら骨」を意味する言葉に由来し、牛肉の部位としては「バラ肉(トモバラ・肩バラ)」を指します。あばら骨の周囲にある正肉であり、明確に骨格筋の精肉に分類されます。内臓肉であるハラミは精肉に比べて一頭から取れる量がわずか2〜3kg前後と極めて希少ですが、かつてはホルモン同様に比較的安価に取引されていた歴史があり、その抜群の美味しさから一気に全国区の人気部位へと駆け上がった背景があります。