ロッテの「トーマスチューイングキャンディ」が公式に生産終了となったのは2023年3月のことです。当時、スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアの駄菓子コーナーから突如として姿を消し、購買層の間で大きな動揺が広がりました。定番中の定番として安定した出荷数を誇っていた看板商品が、なぜ市場から撤退することになったのでしょうか。
当時、報道各社や消費者からの問い合わせに対してロッテ側が明かした終了理由は、製造設備の老朽化でした。発売から28年間、独自の薄型形状と絶妙な伸びのあるテクスチャーを成形し続けてきた専用の生産ラインが限界を迎えており、設備の修繕や維持が極めて困難になったことが直接的な引き金です。
一般的に、食品メーカーにおいて看板商品の製造ラインを刷新する場合、数億円から数十億円規模の設備投資が発生します。1個あたり数十円という低価格帯の駄菓子カテゴリーにおいて、新規設備投資を回収するには極めて長期の販売計画が必要となります。原材料費やエネルギーコストの高騰が重なった業界環境も重なり、経営判断として生産終了という苦渋の決断が下されました。