日本の製菓史を語る上で、先駆者たちの存在を忘れることはできない。クープ・ド・モンドなどの国際大会で世界を制し、常に第一線で挑戦を続ける辻口博啓は、素材の組み合わせと和の感性を融合させた先鋭的な作品で業界を牽引してきた。彼の生み出す繊細な味覚の組み立ては、国内外の若手パティシエたちに多大な影響を与え続けている。
一方で、「パティスリー界のピカソ」と称されるピエール・エルメの存在も大きい。伝統的なフランス菓子の概念を打ち破り、イスパハンに代表される独自のフレーバー構築で世界中の甘党を魅了した。彼らが打ち立てた高い美学と革新の精神は、現代のクリエイターたちにも受け継がれ、日本のスイーツシーンを世界最高峰のレベルへと押し上げる原動力となった。