沢口靖子のプライベートを語る際、昭和から平成にかけて幾度となく週刊誌を賑わせたのが、元西武グループ総帥・堤義明氏との関係にまつわる噂だ。
当時、日本経済界の頂点に君臨していた堤氏が、彼女の美しさに惚れ込み熱心にパトロンとして支援していたという言説が、まことしやかに囁かれた。プリンスホテルのCM起用やグループ関連のタイアップなど、状況証拠のような事象が結びつけられ、尾ひれがついて語り継がれた経緯がある。
だが、決定的な交際現場や私的な密会がスクープされたことは一度もない。当時の芸能界において、大企業トップが将来性ある若手スターの後援者となる文化は珍しくなく、関係性はあくまで芸能事務所を介したビジネスパートナー、あるいは強力なスポンサーシップの範疇を出るものではなかった。実業家の影を過剰に邪推するメディアの過熱報道が、実体のない愛人疑惑や極秘交際説を肥大化させてしまったのが実態である。