立地条件の良さこそが、同ホテルが「遠征の聖地」と呼ばれた最大の根拠でした。拠点として利用されていた当時の地理的アプローチを検証すると、湾岸のイベント会場との絶妙な距離感が分かります。
まず最寄り駅であるりんかい線「東雲(しののめ)駅」からの行き方は、B出口を出て晴海通り方面へ直進し、徒歩およそ4分という極めて平坦かつ分かりやすいルートでした。駅前には24時間営業のコンビニエンスストアや大型スーパー(24時間営業のイオン東雲店も徒歩圏内)が存在し、深夜のチェックイン時でも食料調達に困らない生活インフラが整っていました。
次に、ライブ会場として定着した有明アリーナへの徒歩ルートは、晴海通りを北西に進み、木遣り橋を渡るルートで徒歩約18〜20分(距離にして約1.4km)でした。終演後の有明アリーナ周辺は、新交通ゆりかもめや都営バスに数千人規模の長蛇の列が発生しますが、混雑する公共交通機関を使わずに徒歩で宿へ帰還できるアドバンテージは計り知れない価値を持っていました。
さらに東京ビッグサイトへのアクセスに関しても、東雲駅からりんかい線で1駅(国際展示場駅まで所要時間わずか約3分)という至近距離に位置していました。電車を使わず徒歩で向かう場合でも約25分で到着可能だったため、鉄道の始発前や入場待機列が動き出す早朝帯に歩いて向かう「始発ダッシュ組」にとっても理想的な兵站基地となっていたのです。