映画終盤、物語は観客に強い衝撃を与える悲劇的な結末を迎えます。連続殺人事件の真相と、警察上層部による組織的な隠蔽工作が白日の下に晒される中、牧田勲に訪れた運命はあまりに無情なものでした。
事件の黒幕や抗争の真相が暴かれた直後、牧田は姫川の目の前で、自らの舎弟であった川上義則の凶刃に倒れます。死因は、腹部および胸部を深く刺されたことによる失血死でした。川上は牧田に心酔するあまり、牧田が警察官である姫川に心奪われ、極道としての矜持や組の将来を危うくしていることに耐えかね、暴走の果てに刃を向けたのです。
血を流し崩れ落ちる牧田を抱きしめる姫川に対し、牧田が息を引き取る間際に残した眼差しは、死の恐怖ではなく、自分を理解してくれた唯一の女性に対する慈しみそのものでした。姫川は刑事としての職務と、一人の女性としての感情の狭間で激しく慟哭します。
この事件の結果、警察組織の腐敗を暴いた代償として姫川班は解体され、メンバーはバラバラに配属替えとなります。牧田との刹那的な愛と彼の死は、姫川玲子の心に決して消えない「冷たい雨」として深く刻み込まれることになりました。