ネット上では「筋肉痛で体重が増えるのは超回復の証拠」という言説と、「いや、それは都市伝説だ」という反論が混在しています。ここでは現時点での生理学的コンセンサスを整理します。
超回復とは、損傷した筋繊維が修復される際に、元のレベルを超えた筋力・筋量に回復するプロセスを指します。この過程では、筋タンパク質合成(MPS:Muscle Protein Synthesis)が通常の2〜4倍に高まることが確認されており、その期間(一般に運動後24〜72時間)において体内の水分・タンパク質・グリコーゲンの需要が急増します。つまり、超回復が正常に機能しているとき、体はより多くの水分や栄養素を必要とし、それが一時的な体重増加として数値に現れるわけです。
一方で注意が必要なのは、「筋肉痛があれば必ず筋肥大している」という等式は成立しないという点です。初心者が慣れない運動をした際にも強い筋肉痛は出ますし、筋肉痛の有無が筋肥大の直接指標にはなりません。「筋肉痛=筋肥大の証明」ではなく、「体重一時増加=脂肪増加」でもない。この両方の誤解を同時に排除することが重要です。