上唇の痙攣がピクピク止まらない原因とは?受診すべき診療科と対処法

上唇の痙攣がピクピク止まらない原因とは?受診すべき診療科と対処法

上唇の痙攣がピクピク止まらない原因とは?受診すべき診療科と対処法の真相について、専門知識を基に徹底解説します。

上唇に生じるピクピクとした痙攣の原因を探るうえで、臨床現場で真っ先に鑑別されるのが顔面ミオキミアと片側顔面痙攣という2つの病態です。症状の現れ方は酷似していますが、発生機序と重篤度は根本から異なります。

顔面ミオキミアは、顔面神経の核や末梢神経の興奮性が一時的に亢進し、筋肉の微小な筋線維が勝手に収縮する状態を指します。睡眠不足自律神経の乱れや過度のストレス疲労、長時間の画面注視による眼精疲労が主たる引き金です。一般的に片側の目の周囲(眼輪筋)や唇の周囲(口輪筋)に限局して発生し、数日から2〜3週間程度の十分な休養によって自然寛解する傾向があります。

対照的に、極めて警戒すべき病気が片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)です。これは脳幹から出た直後の顔面神経の根部(Root Exit Zone)に、加齢に伴い蛇行・硬化した脳血管(前下小脳動脈や後下小脳動脈など)が接触・圧迫することで生じます。血管の拍動が神経に電気的なショートを引き起こし、本人の意思とは無関係に顔面の表情筋を収縮させます。この病気は自然に治癒することは極めて稀であり、徐々に痙攣の範囲が拡大していく進行性の疾患です。

目の痙攣と口元が連動して動く「共収縮」の危険信号

片側顔面痙攣を強く疑うべき決定的な兆候は、目の痙攣と口元の動きが連動し始める現象です。初期には「目の周りのピクピク」から始まるケースが全体の約80%を占めますが、病状が進行すると、目をギュッと閉じた瞬間に上唇がつり上がる、あるいは会話で口を動かした瞬間に片目が閉じてしまうといった「共収縮」が現れます。上唇の痙攣が単独で起きているのか、それとも目や頬の動きと連動しているのかを鏡の前で確認することが、重大な上唇の痙攣病気をスクリーニングする第一歩となります。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。