「アクア・トトぎふ つまらない」というネガティブな評判が生まれる背景には、来館前の期待値と施設のコンセプトとの間に生じる「3つのミスマッチ」が存在します。レジャー施設としてのエンタメ性を第一に求める層と、生態系を学ぶミュージアムとしての価値を求める層との間で、評価が二極化しているのが実態です。
第1の要因は、「派手な大型海洋生物が一切いないこと」です。一般的な都市型・沿岸型の水族館をイメージして訪れた利用者は、イルカショーの豪快なジャンプや、巨大な水槽を優雅に泳ぐ大型サメ、ウミガメといった華やかな光景を無意識に期待しがちです。しかし、世界淡水魚園水族館という名称の通り、本館の主役はあくまで川や湖に棲む淡水生物。魚類の色合いも銀色や褐色など保護色を基調とした地味なものが多く、海の熱帯魚のような極彩色のインパクトを期待した層からは「思っていたより地味で退屈だった」という声が上がってしまうのです。
第2の要因は、「徹底的にリアルを追求した展示の渋さ」です。館内は最上階である4階の「長良川源流・上流」エリアからスタートし、川のせせらぎや薄暗い渓流、苔むした岩肌などを忠実に再現しています。生態系をそのまま切り取った空間は自然科学の観点からは極めて精巧ですが、隠れ潜む習性を持つ魚も多いため、「水槽を覗いても魚がどこにいるのかパッと見つけられない」という不満につながるケースがあります。
第3の要因は、「高速道路直結のレジャー複合施設ゆえのギャップ」です。東海北陸自動車道の川島PAから直結するオアシスパーク内に位置するため、「ドライブ途中の気軽な遊園地アトラクション」感覚でふらりと立ち寄る観光客が多く見られます。そうした動機で訪れると、腰を据えて生態を観察する展示動線が「淡々としたお勉強」に感じられ、物足りなさを覚えてしまうという心理的構図が現場の分析から見えてきます。