早大学院の最大の魅力は、高校3年間の学業を修めることで「卒業生のほぼ100%が早稲田大学へ進学できる」という強力な内部進学ルートです。他大学の受験は、国公立大学の医学部医学科など同校が認める極めて例外的な枠組みを除いて認められておらず、基本的には早稲田大学への進学を前提としたカリキュラムが組まれています。
しかし、どの学部に進学できるかという点においては、校内で熾烈なサバイバルが繰り広げられます。早大学院の内部進学の基準は、3年間の定期試験の成績、平常点、実力試験、課題提出などを総合的に算出した「累積評定点(学内順位)」によって決定されます。高校3年の秋、学内順位の上位者から順に希望の学部推薦枠を選択していく「ドラフト会議」方式が採られています。
なかでも看板学部である政治経済学部への進学条件は極めてシビアです。政治経済学部の配分枠は学年全体の約2割(約90〜100名程度)用意されていますが、文系志望のトップ層が殺到するため、学年全体で上位15%〜20%以内の成績を3年間維持し続けることが事実上の必須条件です。少しの気の緩みで定期考査の順位を落とせば、すぐに推薦圏外へと転落します。
近年は政治経済学部に加え、法学部、商学部、国際教養学部(SILS)、さらに基幹・創造・先進の理工3学部も高い人気を誇ります。下位の成績で推移した場合、定員に空きがある学部への推薦に甘んじることになり、本人の志望とは異なる進路を受け入れざるを得ないケースもあります。内部進学が担保されているからこそ、「どの学部へ行くか」を巡る見えない競争が3年間にわたって続いています。