ネットの検索窓に「キャバプー 成犬」と打ち込むと、関連語句に「かわいくない」といったネガティブなキーワードがサジェストされることがあります。この背景を掘り下げると、外見の劇的な経年変化に対する心理的ギャップが主たる要因であることが分かります。
もっとも代表的な変化が「毛色の退色(カラーフェード)」です。トイ・プードルは成長とともに色素が薄くなる退色遺伝子を高い確率で保有しています。そのため、子犬期には鮮やかで濃いレッドやアプリコットだった被毛が、成犬になるにつれてクリーム色や薄いベージュへと変化し、耳や背中の一部にだけわずかに元の色が残る状態へと移行します。これは病気や栄養失調ではなく、プードル系交配種における正常な生理現象です。
さらに、生後5ヶ月から9ヶ月頃にかけて訪れる、いわゆる「パピーブス期(成長期のバランス崩れ)」も誤解の一因となっています。子犬特有の丸顔から成犬の骨格へと移行する過程で、マズル(鼻筋)が前方に伸び、赤ちゃんの産毛が抜けて大人の毛が生え揃うまでの間、一時的に被毛のボリュームが減ってアンバランスに見える時期が存在します。
この過渡期の姿や、ショップ店頭の写真との落差に直面した一部の飼い主が「子犬の頃と違ってかわいくなくなった」とネット上に書き込むことで、風評が拡散されたのが実態です。骨格が定着し、適切なトリミングでその子に合ったカットスタイルを確立した成犬は、子犬期とは異なる気品と優雅な愛嬌を兼ね備えた姿へと仕上がります。