関西風の真髄を体験するならば、本場・関西の名店はもちろん、近年クオリティの進化が著しい東京の地焼き専門店も見逃せない。現代の食通たちが通い詰める注目店を厳選した。
1. 大阪・天神橋筋六丁目『魚伊(うおい)』
慶応3年(1867年)創業、大阪の地焼き文化を牽引し続ける名門中の名門。炭火の強火で一気に焼き上げる技術は圧巻で、皮目のサクサク感と身のジューシーさのコントラストが完璧に計算されている。タレは150年以上継ぎ足されてきたコク深い逸品で、米一粒一粒に絡むバランスが見事だ。
2. 大阪・北浜『本家柴藤(ほんけしばとう)』
享保年間の創業から約300年の歴史を誇る老舗。こちらの名物は、ご飯の間にうなぎを挟んで蒸らす「おまむし(間蒸し)」。地焼きで香ばしく焼き上げられたうなぎが、炊き立てのご飯の熱で適度に蒸らされ、パリッとした食感を残しながら驚くほどふっくらとした口当たりへと変化する。歴史と技術の粋を体感できる。
3. 愛知・名古屋『あつた蓬莱軒』
ひつまぶしを語る上で外せない名所。備長炭でじっくり焼き上げた関西風の地焼きうなぎを、職人の手で細かく刻み、創業以来の秘伝ダレで仕上げる。薬味を乗せた際の清涼感、出汁を注いだ際に広がる炭火の香ばしさは、地焼きの完成形を提示している。
4. 東京・日比谷/八重洲『炭焼 うな富士』
名古屋の名店が東京へ進出し、東京のうなぎ界に「地焼き旋風」を巻き起こした立役者。特大の「青うなぎ」のみを厳選し、1000度を超える超強火の炭火で一気に焼き上げる。関東風の牙城である東京において、本物のパリふわ食感を求める美食家たちで連日満席が続いている。
5. 東京・日本橋『いづもや』
老舗がひしめく日本橋において、関東風の名店でありながら「じやき(地焼き)」のコースを堂々と提供する異色の名店。客の要望に応じて蒸さない地焼きを最高峰の技術で仕上げてくれる。東西の技術を知り尽くした職人が焼く地焼きは、透き通るような脂の旨味を堪能できる。