ランチに求める価値観も、劇的にグラデーションを増している。忙しい平日の真ん中で心と体をリセットしてくれるのは、炊きたての白米と具沢山の味噌汁、香ばしく焼かれた魚が並ぶ王道の定食だ。素朴ながらも丁寧な手仕事が光る一膳は、午後の活力源として何物にも代えがたい。
一方で、少し特別な日には、格式ある日本料理店が提供する贅沢な昼御膳へと足を伸ばす選択肢もある。夜なら敷居の高い名割烹が、昼には手の届く価格で季節の味覚を振る舞う。日常の気軽さと非日常の贅沢。その両極を自在に行き来できる懐の深さこそ、日本の都市型ランチの真骨頂と言える。