飯島多紀哉氏の波乱に満ちた経歴を振り返る上で、1980年代後半から1990年代にかけての黎明期は外せません。デビュー初期、飯島健男名義で企画・シナリオを手掛けた『ラストハルマゲドン』(1988年)は、「人類が滅亡し、地球の覇権をめぐってエイリアンと魔族が戦う」という常識破りの世界観で業界に衝撃を与えました。
その後、1989年に自らゲーム開発会社パンドラボックスを設立。和風伝奇RPGの先駆けとなった『ONIシリーズ』を立ち上げ、ゲームボーイやスーパーファミコンで数多くのヒット作を生み出します。勧善懲悪にとどまらない骨太な人間ドラマと伝奇ロマンを融合させた作風は、当時から突出した個性を放っていました。
パンドラボックスは最盛期、多数の開発ラインを抱える有力デベロッパーへと成長し、飯島氏は稀代のヒットメーカーとしてゲーム業界の最前線を駆け抜けることになります。