「塩分は控えめに」――誰もが耳にタコができるほど聞かされてきた標語だ。しかし、世界的なヘルスケアのトレンドを見渡すと、一概にすべての塩を悪者扱いする時代は終わりを告げつつある。精製塩(塩化ナトリウム99%以上)の過剰摂取と、海洋の恵みをそのまま含んだ塩の摂取を同列に語る危険性に、多くの人々が気づき始めたからだ。
自然食品・健康食品産業が急速な拡大を続ける背景には、こうした「隠れミネラル不足」への危機感がある。現代の作物そのものが化学肥料の影響でミネラル含有量を減らしている点も無視できない。精製された塩で塩分だけを補っても、細胞の代謝に必要な要素は満たされない。その結果として引き起こされる原因不明の不調こそが、従来の減塩信仰が生み出した現代病の側面と言える。