物語の中核を成すのは、ヒロインである桂言葉と西園寺世界、そして主人公の3人が織りなす歪んだ三角関係だ。おとなしく純粋だがどこか浮世離れした言葉と、社交的で面倒見が良い反面、自己犠牲的な歪みを抱えた世界。
主人公は二人の対極的な魅力と好意に挟まれ、自己の欲求をコントロールできないまま破滅へと突き進んだ。しかし、関係性の真相を丁寧に紐解くと、彼自身の無自覚な甘えだけでなく、ヒロイン側が抱える孤独や依存心も密接に絡み合っていたことが浮き彫りになる。誰か一人に悪を帰結させられない心理戦の深さこそが、今なお議論が尽きない理由だ。