番組の看板エピソードとなったのが、香取慎吾が主演を務めた『非常通報』です。彼が演じたのは、警備会社の警備員。深夜の無人ビルから届く謎の非常通報に向かった彼を待ち受けていたのは、超常現象という言葉だけでは片付けられない「生々しい悪意」でした。
この作品の凄みは、徹底した日常の描写にあります。薄暗い廊下、懐中電灯の光が照らす埃っぽい空気、そして無線機から流れるノイズ。視聴者は香取の視点に完全に同調させられ、まるで自分が深夜のビルに取り残されたかのような錯覚に陥りました。派手な演出を抑え、静寂と音響効果で恐怖を増幅させる演出は、まさに職人芸と言えます。