日本の過激なプロレス史を紐解く上で、邪道・大仁田厚の存在を外すことはできない。1990年代、彼が率いたFMWで産声を上げた有刺鉄線電流爆破マッチは、それまでのストロングスタイル至上主義に風穴を開け、熱狂的な大衆の支持を獲得した。スタジアムを揺るがす爆音と白煙の中で叫ぶ大仁田の姿は、痛みを共有する救世主としてファンの心に刻み込まれた。
その過激な遺伝子を受け継ぎ、さらなる極限へと舵を切ったのが大日本プロレスだ。リング上に数百本の蛍光灯を敷き詰める蛍光灯デスマッチを確立し、画鋲、カミソリ、ガラスボードといった日常の凶器をリングへ持ち込んだ。単なるハードコアレスリングの枠を飛び越え、視覚的なショックとアスリートとしての超人的なタフネスを融合させた独自のジャンルを築き上げた功績は極めて大きい。