近年の大地震や大型台風によるブラックアウト(大規模停電)の際、SNS上で「団地のバランス釜だけは停電中でもシャワーが使えて助かった」という投稿が大きな反響を呼びました。なぜ最新の全自動給湯器が停電で沈黙する中、バランス釜はお湯を沸かし続けられるのでしょうか。
その理由は、「商用電源(100Vコンセント)を一切使わない独立駆動構造」にあります。最新の給湯器はマイコン制御、電子基板、電動バルブ、循環ポンプなど電気仕掛けの塊ですが、バランス釜の動力源は「乾電池(単1電池など)」または「圧電素子(ライターと同じカチッと火花を飛ばす仕組み)」のみです。
水圧によって機械的にガス弁を開閉し、乾電池の微小電力で放電点火を行うため、電線が寸断されて停電になっても、ガス供給と水道の水圧さえ維持されていれば、普段と全く同じように熱いお湯を浴びることができます。この圧倒的なレジリエンス(災害復旧力)こそが、製造から数十年を経た現在でもバランス釜が高く評価される理由の1つです。